出張から帰ってくるまでに直しておきたい

「おう!じいちゃん、これなんだか知ってる?」「見せてみろ」「んっ、俺を殺す気か?」

「なんだよ、そんなつもりはねーよ!ただ、今流行ってるらしいから持ってきてやったのに・・」

「自分で作るのか?」「ああ、虎の巻きってヤツを見ながら書けば簡単らしいぜ!」

「どれどれ、よく見てみるか。まぁ、でもなぁ。これほど立派な遺言書キットあっても書くことが無いもん、情けねー感じ」

「ところでじいちゃんよ。俺ちょっと、金がいるんだわぁ。とうちゃんの車いいなぁと思っている彼女に運転させたら、ぶつけられちゃってさぁ。そいつに請求出来ないからさぁ。5日後に父が出張から帰ってくるまでに直しておきたいんだよ。頼むよ。この通り!おじい様!」

「かわいい娘か?」「ああ、むちゃくちゃかわいい!」「しょうがねーヤツだ。で、いくら必要だ?」「5万円!後は俺がなんとかするから!」

「ほう。遺言書キットに書くことができたぞ。お前に5万円!と」